小十郎が逝ってから二日が経った。
政宗は小十郎の遺体と共に部屋に引っ込んだまま出てこない。
まともに食事すら採ってないと言う話を聞き、成実と綱元は膳を持って小十郎の部屋へと足を運んだ。
「…食うかな」
「さあな。食わなければ無理矢理にでも食わせればいい。そろそろ何か口にさせないと葬式を二つ挙げる事になる」
そう話しながら着いた小十郎の部屋の前で呼びかければがたりと中で人が動く気配がした。
…どうやらまだ生きているらしい。
「次郎。いい加減何か――うわ?!」
突然襖が開き、伸びてきた腕に膳を持った腕を掴まれ、中に引きずられた。
――多少汁などは零れたが膳をひっくり返さなかったのは奇跡だ。
「――ッ!!大変だ!小十郎が…!!」
狼狽した様子の政宗に成実はとりあえず安全な部屋の隅に膳を置き、どうどうと宥めた。
「分かってる。受け入れがたいのは分かるが――…」
「NO!!」
かぶりを振る政宗はとにかく…もうこれでもかと言うほど狼狽していて。それでもなんとか「小十郎を見ろ」と告げた。
「――小十郎がどうかしましたか?」
事態が落ち着いたのを見計らい――なんかムカつくが――悠々と部屋に入ってきた綱元と共に小十郎を見た。
「「――若返ってる…」」
小十郎が逝ったのは五十七。大往生とは言わないが、よく生きた方だと思う。
因みにこの隣の男は寿命がやたら長い妖怪…じゃない、鬼庭の家系なのでまだまだ逝く様子も無く元気満々だ。
――まぁとにかく、小十郎は五十七で逝った。勿論、それ相応の外見年齢で。
――だが、今目の前にあるのは…
「…二十半ばか?」
そう、それ位の若さ溢れる小十郎だった。
政宗に訳を聞けば逝ってから今まで、徐々に外見が若返ってきていると言う。
「…どうすんのさ?」
「だから困ってるんだろ…」
一体何なんだ。
怪奇現象に手をこまねいている二人に平然とこの男は言った。
「落ち着くまで観察と洒落込みますか」
* * *
綱元の提案によりそれから一日、小十郎を観察した。
半日位で幼児まで若返った。
更に二時程で赤子になった。
もうこれで終わりか…?そう思った時、溶けるように小十郎の姿が掻き消えた。
「――なっ?!」
「安心なさい」
驚いて立ち上がった二人に綱元は相変わらず平然として布団ににじり寄った。
ぺろりと掛け布団をめくるとそこには――…
「子狐…?」
――否、狐にしては耳の長い黒い生き物が一匹。
暫く眺めればそれはケホリと咳き込んで、呼吸を始めた。
「よかったですね、殿」
呆然とする二人に綱元があっけらかんとした様子で言った。
「小十郎、息を吹き返しましたよ」
…んな馬鹿な。
そう思いたかったが、子狐…らしき生き物は確かに呼吸をしてすやすやと眠っていた。
書きましたよ!
薬屋パロ。やっちゃった…!こうきました。はい。
続くかも知れないし続かないかも知れない。それは私にも分からない。全ては反応次第だ!(そんな)
現在薬屋シリーズ読み返してますが、相変わらず座木さんがステキです。
骨格変えて女装とか…!ああもう!アンタ好きだ!!(告白)
「では私が言おうか。頑張ってね」なんていわれたらもう…!アカン。女子高校生キラーでマダムキラーな彼が大好きです。
そして子狐のような本体(秋命名:サッチョウエゾキツネだったか?)が愛しいです…!キュン!
早く出ろ出ろ文庫本続きー!(わくわく)
そう言えば明日・明後日地元のイベントらしいです。(知らなかった)
うわー行きたい!ユウナみてぇよ葛葉ん…!!しかし学校だ!土曜は学校だ!!
日曜は勉強会ありますが出る気なし。
行こう行くまいか…誰か連れて行ってください。(結局はそこに辿り着く)
激方向音痴の私は連れが居ないと無理です。行き倒れます。(そんな)
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